少し前の話になりますが、AppleはAirMacExpressの発売と時を同じくして802.11b対応のAirMacCard (M7600J/A) を製造中止にしました。
実はこれがマックコミュニティーには結構な衝撃を与えました。
オークションでは値がつり上がり、中古を扱うショップには問い合わせが殺到した結果中古価格も跳ね上がりました。
その結果、現在AirMacCard (M7600J/A) は入手が非常に困難になってしまいました。
なぜそんなことになってしまったかというと、このAirMacCard (M7600J/A) はOS9が動く、ちょっと前のG4マックで無線LANを使おうと思う場合に必須になるからです。
現在Apple社のMacintoshで新品で入手可能なものは全てOSXでの起動しかできません。
実はこれはDTP業界において非常に問題なのです。
通常印刷所のプリンター(セッター)は一台数百万から数千万します。
OSXに対応させるためにはこれを入れ替える必要があります。
でも、先の見えない不景気の中、そんな投資が簡単にできるわけはありません。
で、現実的にどうかというと印刷所が対応しないわけですからデザイナーさんやエディターさんは血眼になってOS9が動くマシンを確保しなければならない訳です。(この話はまた別途いたしましょう)
そんな中、AirMacが切り開いたネットワークの無線化はWindowsも含めた大きな流れになっています。一度無線LANを使ってしまうとその便利さ故二度と有線には戻れません。
この二つがちょうど良いタイミングでおこってしまい、AirMacCard難民が大量発生してしまったという訳です。
AirMacCard(M7600J/A)の代わりになるもの。
これが結構難しいのです。
現在可能な代替案は大きく分けて二つあります。
まずはデスクトップにおすすめなのが、有線LANポートにアダプターを接続して無線LANにコンバートする方法です。
このアダプターは代表的なメーカーからいくつか出ていますが、802.11b, g を利用できるBUFFALOの
WLI2-TX1-G54 54Mbps無線LAN メディアコンバータが、価格、使いやすさ、入手の簡単さなどからおすすめです。LANポートがあれば良いのでG3DT/MTやiMac RevA.~D.でも使えます。
次にノートタイプですが、残念ながら完全な内蔵をご希望な場合はAirMacCard(M7600J/A)意外に方法はありません。
でも、少しはみ出しても良いのであればPCMCIAカードタイプが選択肢に入ります。
ところがNCRやReudoなどMacに正式対応をうたっているものはそのほとんどが既に製造中止になっています。
そこで、昔から有名な裏技ですが(笑)初代AirMacBSを分解して中からPCMCIA無線LANカードを取り出す方法があります。
初代AirMacBSの中にはルーセント社のPCMCIAの無線LANカードが入っています。これがOS9で動くんです。もちろん純正扱いですので純正ドライバーで動くはずです。もし純正ソフトでだめなときは、
こちらからOS8.6からOS9.xまで対応のOrinocoのドライバーがダウンロードできます。
残念ながらAmazonでは中古の初代AirMacBSは出品されていませんでした。中古ショップにお問い合わせください。*初代以外のベースステーションは残念ながら分解した事がありませんので、中がどうなっているのかはわかりません。
追記:
もう一つある裏技をきれいに忘れていました。昔使っていたのに記憶から抜け落ちていました。こちらのほうが、入手の容易さ、分解の手間の不要などでおすすめでした。
AieMacBSの中古を探してしまった方、ごめんなさい。
802.11bになりますが
BUFFALO WLI-PCM-L11GPがOS7.5.2からOS9.0までで使えます。ただし、法律の絡みか日本のバッファローではドライバーを用意していません。もちろん製品もWindows用として売られています。しかしバッファローUSのサイトからダウンロードする事ができます。現在Ver.
6.00.6と
6.00がダウンロードできます。違いはアドホックモード設定時にResEditを使う必要の有無のようですので
6.00.6を使えばいいんではないかと思います。英語にはなりますが
セットアップガイド(pdf)も入手可能です。
このカードのいいところはCardBus対応ではなくPCMCIA対応であるという事です。
わかりやすく言いますと、G3, 3400, 2400, 1400, 5300, 190で無線LANが使えるという事です。
ダウンロードページにはOS8.6, 9対応と書かれていますが、中のRead Me First には7.5.2, 7.5.3, 7.5.5, 7.6, 7.6.1, 8.0, 8.1, 8.5, 8.5.1, 8.6, 9.0で大丈夫と書かれています。
残念ながら9.0.2, 9.0.4, 9.1, 9.2.1, 9.2.2については動作不明です。人柱報告をお待ちしています。
(追記おわり)
<-- 10/23追記 -->
こちらにて興味深い記事が。(大元は
こちらのようです。)
SONYのPCWA-C150SがAirMacCardの互換で(OSX,OS9.2.2共に)動くというのです。
アンテナ部分の突起を外す事で、AirMacCardを取り付ける場所に入ってしまうということです。そして純正ドライバーで動いてしまうとのことです。
<-- 追記おわり -->
お約束ですが、今回紹介の方法も当然ながらご自身の責任において試していただきたく思います。しかし、どうしてもという方には選択肢の一つになりうるのではないでしょうか。
ちなみにPMG4やPBG4Tiを使っていても、OSXの場合はたくさん選択肢があります。
その話は、また次回に。