ジャーン、カリカリカリ、カリ、、、、、カタンカタン
画面にはひびの入ったフォルダーがチカチカ。
マックユーザーの誰もが一度は遭遇した事があるであろう悲しみの瞬間。
この瞬間、明日が締め切りの原稿や、徹夜で仕上げた論文や、やっと手に入れた超レアなファイルたちの行く末に、目の前が真っ暗になってしまった事でしょう。
あわてて0070-800-277531(*アップルコールセンター)に電話するも、そこで得られる答えは決まって「はい、アップルサポートセンターです。保証期間内ですので恐らく修理は無料で可能です。ただし、ハードディスクの内容は消去される可能性がありますのでご了承ください。ご了承いただけない場合は修理をお受けいたしかねます。」
違うのです。我々が欲しいのは「物」の修理だけでなく「中身」の修理なのです。
OS7や8の時代はこの分野はノートン先生の独壇場でした。
しかし、MacOSがOS9になったころから若干変化が生まれてきました。ノートンよりも復旧率の高いソフト(筆者経験による実績)がぽつぽつと現れてきたのです。
その筆頭がディスクウォーリアです。
ディスクウォーリア 3.0
OS7.1-OS9.2.2用(CD内に旧バージョンあり)およびOSX10.2.1以降用でG5にも対応
ディスクウォーリアはディレクトリの修復を独自の方法で行います。ノートンと比べるとその操作が非常にシンプルなため、なんとなく今までノートンを使ってきた方には信頼が置けないかもしれません。
なにせ、ワンクリックで調査、ワンクリックで修正。以上で終わりです。
設定項目も何もありません。
でも非常に強力です。
例えば、すでにハードディスクでは起動できずに、CD起動を試みた際に「このディスクは使えません、初期化しますか?」などと聞かれるようなケースではほとんどの場合きれいに復旧してくれます。
デスクトップにマウントできなくてもディスクウォーリアーがそのハードディスクを認識できさえすれば回復できる可能性が非常に高いのです。
もしハードディスクを認識する事ができなかったら、ノートンとディスクウォーリアを組み合わせて使います。
ノートン・システムワークス 3.0.1 for Macintosh キャンペーン価格版
0S9.2以上およびOSX10.1.5以上用
ノートンユーティリティーズに含まれるディスクドクターには、認識されないディスクを強制的に検索して認識できるところまで持っていける機能がついています(カスタムでないと現れません)。これをつかって、ハードディスクを認識できるところまで持っていきます。そしてその後にディスクウォーリアをつかってディレクトリ修復を行うのです。(この方法はOS9のときにかなり有効でした)
この二本立てでさらに復旧できる確率は上がります。
(もちろんOSXだけでなく古いOSでデータ復旧を試みるときも、ソフトを組み合わせる事で確率が上がるのは同じです、ただしかける順番により確率が下がる事もありますので注意が必要です)
さらにお薦めな強力なアプローチもあります。
Data Rescue (v.103.1 & 4.3.1) 日本語版
OS8以降用およびOSX用
ディスクウォーリアがディスク一式をまとめて救出するのに対して、Data Rescueは個別の書類を一つ一つ救い出す事に重点を置いています。
Data Rescueもディスクウォーリアと同じようにハードディスクが認識さえできる状態ならばかなりの高確率でデータの復旧をしてくれます。復旧率で言えばおそらくこちらの方がディスクウォーリアよりも上です。
OS9以前用バージョンのときはシェアウェアだったのですが、これがシェアウェアなのにノートンのアンイレースよりもはるかに強力に復旧をしてくれていたのでした。OSXになってからパッケージ販売になり露出度も増したのですが(買収されたのかな?)、今ひとつメジャーになれないのでここで強力にプッシュします。
注意点として、Data Rescueより先にノートンをかけてしまうと復旧率が落ちるケースが多いのでお気をつけ下さい。
マックユーザーのデータ復旧においては、この三種類をそろえておくのが最良の選択です。
この三本で駄目なら、基本料金だけで数万円は覚悟しなければならないような本格的なデータ復旧専門の会社に持っていくしか方法は無いでしょう。逆に言えばそんなに支払う事は不可能な、個人ベース、小規模事務所ベースではこの三本が必須とも言えます。
もし予算的な都合でどれか一つを選ばないといけないならば、もしくは最初の一本としてとりあえず用意をしておくならば、迷わずディスクウォーリアを選択します。
今まで、何度助けられたかわかりません。(ちゃんとバックアップしろよという突っ込みは置いといてください、笑)
次にはData Rescueを選びます。これはかなり専門的な復旧ができるソフトなため、使いこなせば専門会社のような復旧作業もできます。もちろん簡単設定もありますので、いきなりむずかしいわけではありません。ほんとになんでメジャーにならないのかが不思議なくらいの優れたソフトです。
そして最後にノートン先生です。残念ながら今後のOSXサポートをやめる事が決定してしまいましたし、使い方によっては逆に事態を悪化させる事も多いのですが、やはり大御所です。適材適所、ピンポイントで使えば十分に有用です。
アップルに電話をしてすげなく断られる前に、納期に間に合わずクライアントを失う前に、そして留年してしまう前に、ぜひ一度彼らを試してみてください。
おそらく、その力をいかんなく発揮して助けてくれると確信します。
そうそう、どうしてもうまく認識できないハードディスクの復旧に挑戦するときには、立てたり、裏返したりするとうまく認識する事があります。また、冷やしたり、連続した細かい振動(ひげ剃りとか、笑)を与えたりするとデータが抜けるようになったといった「噂」も聞きます。
いよいよ追いつめられたときはお試しくださいね。