PENTAX Optio X デジタルカメラ
X ばやりの昨今、Optio Xの登場です。
先日Macにあうってばよ、と
CAMEDIA μ-mini DIGITALを取り上げたばかりで恐縮ですが、PENTAXから変なデジカメが出たので書かずにはいられないかなと。
まだ現物を触っていないので詳しいことは書けないのですが、おなじみのITmediaの
インプレッションを読む分には、非常におもしろい「おもちゃ」であるなあという印象です。
PENTAXのOptioシリーズはその大きさとデザインで非常に所有欲を刺激するものが多いのですが、いかんせん使い勝手が非常に非常に非常に悪いです。悪しきデザイン優先でインターフェイスは最悪、F2.6のくせに暗いところはまったくだめ、ピントは遅く、AIは賢くない。実は昔、デザインに負けてOptioSを一つ買ったのですが、ほとんど使われる事なく鞄の中に緊急用に入ったままです。(最近の小型のデジカメはおおむねそういった傾向がありますからOptioだけが駄目という訳ではないですけどね)
ITメディアと
メーカーサイトの説明を読む限り、インターフェイスと操作性の悪さはまったく変わっていないようです。なのになんで紹介してるかと言うと、「大人の男のおもちゃ」としてとても面白そうだからです。これはおそらく1988年に2万台限定で発売された
Oプロダクトのような存在を狙っているのではないかと思うのですが、AppleっぽくもありSONYっぽくもあり、どちらかと言えばPENTAXのラインからは少しはずれた感じの興味深いおもちゃに仕上がっていると思います。
でも1/2.5型の有効画素数500万画素っていうのはほんとのところどうなんでしょうか。
以前320万画素CCDが出たとき(OptioSにもつかわれています)にそのあまりのノイズの多さと名ばかりの解像度に落胆したものです。正直なところ昔のCCDサイズの大きな150万画素のほうがよほどきれいな写真が撮れました。今のデジカメの進んでいる方向はカタログスペックを上げる事ばかりで、いい写真を撮る道具としてのカメラからは離れていってる気がします。デジカメの手ぶれ防止機能がもてはやされていますが、何で手ぶれ防止機能を付けなくてはいけないほど手ぶれする設計になってしまったのかを考えて、そちらを改善するのが筋ではないかと思うのです。
Optio Xへの希望はコントロール部を全てタッチパネルにしていっさいのスイッチをつけないこと。このくらいの潔いデザインだと操作性を別にして語る事ができると思うのです。がんばってデザインしても、詰めの部分でこういうごちゃごちゃした日本の家電的なデザイン処理になってしまうのは今のインハウスデザイナーの(きっと統括しているその上司の)限界なんですかね。
シンプルな多機能はほんとに難しいと思います。無印とかMUTECHでもまだまだ要素が多すぎると思います。+-0がややいいかんじでしょうか。あんな感じで日本のデザインがいい方向に動いてくれればいいですね。でも+-0は価格が高すぎです。柳宗理をお手本に(笑)。
とにかく、現物を触ったらまた追記します。
<-- 追記 -->
早速触ってきました。
結論としてはOptioSの時に不快だった点は全てそのままでした。
直感的ではないインターフェイスと扱いにくいスイッチ類。
全てがひとテンポ遅れる印象の動作感覚。
量販店の店頭はかなり明るいのでわかりにくいのですが、少し暗いとピントが合いません。
ノーフラッシュ撮影を主とする自分には不向きなカメラでした。
直感的でない、感覚で扱えない感じです。
良くなってた点は実際にとれた画像がOptioSと比べると細かい事。
まあ、解像度が上がっているので当たり前と言えば当たり前です。
デザインがすごく楽しくてほしいと思わせるだけに、すごくもったいないと思います。
デジカメはカメラ系の会社とパソコン系の会社で得意分野が違います。それは重々承知の上であえて言わせてもらうと、PENTAXはもう少しインターフェイスの勉強をしたほうが良いと思います。
Optioシリーズは非常に所有欲をくすぐるデザインですが、それは操作感の不足を補えるほどではないかな、と思います。
他のデジタルカメラメーカーのようなジャパニーズデザインとは一歩はなれた良いものをだしてくれるだけに、残念でなりません。
フォローしておきますが、他のデジカメと比較して特別に駄目な訳ではありません。
苦言は期待です。
<-- ここまで追記 -->